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決算の概要、新たな中期経営計画、そして直近の受注高など、足元の状況をご説明申し上げたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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本日は、ご覧いただいております六つの内容につきまして、ご説明申し上げます。

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まず、親会社であります安江工務店につきまして、中心に企業の概要をざっくりとご説明申し上げます。

1970年の創業でありまして、愛知県を中心に11店舗を展開してございます。住宅リフォーム事業を核といたしまして、新築住宅事業、不動産流通事業と、お住まいに関わるお客様ニーズにワンストップで応える体制を整えております。

代表者は、今ごあいさつ申し上げました会長兼CEOの安江博幸と、社長兼COOの私、山本の2名でございます。

2017年2月に総合住宅リフォーム会社では初めて、東京証券取引所JASDAQスタンダード市場と名古屋証券取引所市場第二部に上場いたしました。ちょうど4年前、2月10日でございます。

現在は親会社、安江工務店の他に大阪の八尾市、そして神戸市、姫路市、熊本市にグループ会社を置きまして、全体の従業員数は230名ほどでございます。

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続きまして、事業内容ですが、左のグラフは当社の三つの事業の売上構成を割合で示してございます。当社グループの2020年12月期の売上高は約53億円、その7割以上を住宅リフォーム事業が占めております。

住宅リフォーム事業は、一般顧客向けにメンテナンス工事から間取りの変更でありますとか、耐震補強、増改築、リノベーションといった住宅全般に幅広く対応する、総合リフォームを展開してございます。

また、当社で開発いたしましたオリジナルの建材、無添加厚塗りしっくいなど、天然素材を多用した自然派のリフォームや、建築士などの資格を有したデザイナーによるデザイン性の高い付加価値の高いリフォームにも注力しておりまして、他社との差別化を図っております。

次に、新築住宅事業では、自然素材や高性能断熱に力を入れた注文住宅を取り扱っております。フルオーダーの注文住宅からブルックリン調、あるいは北欧調といったコンセプト住宅など、デザインにこだわったラインアップをそろえております。また、先ほど申しました、しっくいも、壁、天井に基本仕様として施工しております。

また、お住まいに長く愛着をもって住んでいただきたいという思いから、お客様参加型の住まいづくりも提案しております。大手のハウスメーカーさんでは得られないオンリーワンの住まいをお客様と一緒に、楽しみながらつくることで、思い出に残る家づくりをしております。この新築住宅事業の売上高は、全体の約2割弱となっております。

三つ目の不動産流通事業は、全体の1割ほどの売上高でありまして、不動産の売買、仲介、中古住宅の買取、再販、そして建売事業も、この不動産事業の中で展開しております。

次に、私どもが展開している各事業の関わりでありますが、当社は住宅リフォーム事業を中心にしまして、新築、不動産を加えた三つの事業が連携しながらシナジーを発揮しております。これによりまして、お客様からのあらゆるニーズにお応えできる地域社会の、お住まいのかかりつけ医のような存在であることを目指しております。そして、その体制を構築してまいりました。

ご覧いただいております右側のグラフは、ワンストップサービスを始めました2010年からの売上高の推移になっております。当社のミッションであります、「すべてのお客様に安らぐ「住まい」を提供し、一生涯のお付き合いをする」ことを目指しまして、それぞれの事業で業績を伸ばしてまいりました。

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続きまして、当社グループの特徴といたしまして、まず創業から半世紀という長い歴史の中で築き上げてまいりました、お客様との強い信頼関係が挙げられます。

ご覧いただいております、左側のグラフですが、私どもはOB客様と呼んでおります、既存顧客に加えまして、日々新しいお客様からのご注文を頂戴することによりまして、このOB客様を着実に増やしております。

高い顧客維持率を保つことによって、右側のグラフにございますように、総受注件数に占めます OB 顧客様の割合は、近年60%前後となっており、安定した収益構造を築いております。

従いまして、私どものビジネスは、お客様から一度の大きな工事のご契約をいただくというよりも、いかに長くお付き合いをいただくか。生涯お付き合いいただく、いわゆる生涯顧客として当社グループのファンづくりをしていくことが大きなキーポイントとなる、いわばストック型といいましょうか、農耕型のビジネスモデルと認識しております。

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それでは、昨日発表いたしました、2020年12月期、連結決算概要をご説明申し上げます。

あらためて申し上げるまでもなく、2020年は新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、日本をはじめ、世界中で大変な年となりました。新型コロナウイルスに罹患された皆様と、感染拡大によりまして生活に影響を受けられている皆様には、心よりお見舞いを申し上げます。

さて、2020年12月期は、当社グループといたしましても、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けまして、連結決算は前期比で増収減益となりました。最終赤字となりましたのは、2017年の上場来初めてでございます。

簡単に2020年12月期の主なトピックスを挙げさせていただきますと、1月には、兵庫県の姫路市、および神戸市でインテリア販売業を営むアプリコット株式会社をグループ化いたしました。

続いて、3月には愛知県で事業展開する株式会社マノモクハウジングより、住宅リフォーム事業、および不動産流通事業の事業譲渡を受けております。また、この同じ3月には神戸市のグループ会社であります、株式会社N-Basic の2号店となりますHDC 神戸店、これはハウジングデザインセンターですけれども、を神戸駅前にオープンいたしました。

同じく3月から4月にかけまして、発行済み株式総数の2.5%に当たります自己株式を取得いたしました。

また、8月には当社のオリジナル建材であります、無添加厚塗りしっくいが、ヒトコロナウイルスを用いた実験で、抗ウイルス効果があることが実証されたことを公表いたしました。

さらに10月には、大阪府八尾市で住宅リフォーム事業や不動産流通事業を展開します、株式会社MIMA をグループ化いたしまして、これによりまして、子会社は現在関西に3 社、九州に1社の計4社となっております。

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次に、連結損益計算書の概要を申し上げます。

売上高は、前期比で6.7%上回ります53億9,600万円となりました。これは、上半期におきまして、2019年10月の消費税増税に伴う需要の反動減、および新型コロナウイルス感染症の影響を受けまして、受注高が伸び悩んだものの、下半期からは受注の回復が進みまして、期中に子会社化した2社の売上寄与もあったことによる増収でございます。

しかしながら、営業利益につきましては、新型コロナウイルス感染症の拡大による引き合い、一般のお客様からの新規の案件の問い合わせですね、この引き合いの減少を補うため、需要喚起策等の広告宣伝費増加や、M&Aの実施による子会社取得関連費用、そして、のれん償却額や人件費の増加等で、前期比で85.9%減の減益となりました。

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続きまして、前期からの増減要因の分析でございます。

上段のグラフは売上高を示しておりまして、住宅リフォーム事業と不動産流通事業におきましては、期中にグループ化いたしました子会社の売上寄与がございまして増収となったものの、新築住宅事業におきましては、2016年にございました熊本地震からの復興需要が一巡したことによりまして減収となっております。

また、下段のグラフですが、こちらは減益の要因を示しております。売上増の効果による上振れ要因はありましたものの、住宅リフォーム事業におきます売上総利益率の低下、これをはじめ、M&Aに関連しました子会社の取得費用、のれん償却額の増加、人員増に伴う人件費や広告宣伝費の増加等で減収となっております。

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次に、このページではセグメント別の年度比較をしてございます。

ご覧いただきますように、当社グループの主力事業であります住宅リフォーム事業につきましては、期中にグループ化いたしました子会社2社の売上寄与がございまして増収となったものの、同時に子会社取得の関連費用や人員増による人件費の増加がございまして減益となってございます。

新築住宅事業、真ん中の新築住宅事業につきましては、熊本の子会社におきまして、熊本地震の復興需要が一巡したということで、減収となりましたけれども、原価の低減や是正工事の減少といった現場管理体制の見直しが功を奏しまして、利益率が改善したことから増益となっております。

一番右側の不動産流通事業につきましては、期中にグループ化いたしました子会社の売上寄与がございまして増収となりましたが、長期で保有しておりました物件、販売用物件の価格を見直したことによる利益率の低下がありまして減益となっております。

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次に、四半期ごとの推移状況をご説明申し上げます。

一昨年10月の消費税増税によります需要の反動減がございましたが、2020年12月期は第1四半期で、前年同期比で増収の状態からスタートいたしました。しかしながら、ご承知のとおり、2020年に入りまして、新型コロナウイルス感染症が流行し始めまして、2020年4月には緊急事態宣言が発出されました。社会経済活動の低下や消費マインドの低下によりまして、住宅業界も大きな影響を受けたところでございます。

当社グループにおきましても、住宅リフォームの工事引き合いの件数の減少、不動産物件の市場流通数が著しく減るといったことなど、大きな影響を受けたため、結果として第2四半期、第3四半期とも前年同期比で減収となりました。

昨年5月の緊急事態宣言が解除された後は、徐々に経済活動が再開する中で、当社の住宅リフォーム事業の引き合いも、その件数が前年同期比で上回る月も出てくるなど、順調に回復いたしまして、第4四半期は10月にグループ化いたしました子会社の売上寄与もございまして、前年同期比で大きく増収いたしました。

一方で、営業利益につきましては、2020年に当社は創業50年という節目の年を迎えまして、当初より予定しておりました、お客様還元キャンペーンに加えて、新型コロナウイルス感染症の影響を軽減すべく、さまざまな需要喚起策を実行したことに加えまして、期中にM&Aにて2社をグループ化したことによります子会社取得費用等もございまして、第1四半期から第3 四半期までは営業損失となってございます。

もっとも、新型コロナウイルス感染症自体の収束の見通しは不透明ではございますけれども、営業活動におきましては既に回復しつつありまして。さまざまな需要喚起策の効果もありまして、第4四半期の売上高、営業利益が計上できたという形でございます。

現在進行しております2021年12月期の状況につきましては、後ほどお話させていただきます。

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続きまして、売上総利益・販管費の状況でございます。

ご覧いただきますとおり、売上総利益率は前年比で1.5ポイント悪化いたしております。これは住宅リフォーム事業におきまして、シェア確保のための価格戦略を行ったことに加えて、不動産流通事業におきまして、保有物件の売価を見直したことによるものであります。

また、販管費につきましても、先ほどからお話し申し上げておりますとおり、広告宣伝費の増加、子会社取得費用等によりまして、売上高に対する販管費の割合は前年比で2.1ポイント悪化をいたしております。

なお、2021年12月期は住宅リフォーム事業におきまして同様の価格戦略は予定しておりませんので、売上総利益率は回復するものと見込んでおります。

13ページ、および14ページの貸借対照表とキャッシュ・フロー計算書につきましては、お手元にお配りしてございます資料にて、ご確認いただければ幸いでございます。

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続きまして、昨日公表いたしました新中期経営計画につきまして、ご説明申し上げます。

当社グループは、昨年2月、1年前に2020年12月期を初年度といたします中期経営計画を公表いたしておりますが、新型コロナウイルス感染症によります業績への影響や、その後の事業環境の変化等によりまして、実績、および業績予想に乖離が生じましたため、今回新たに2021年度を初年度といたします、新しい3カ年の中期経営計画を策定いたしました。

今回策定いたしました中期経営計画は、前回発表の中期経営計画と同様に、2030年に売上高300億円の規模を目指すというものであります。新型コロナウイルス感染症の広がりなど、従来想定し得なかった環境下におきましても、成長発展できるよう、三つの基本方針を掲げまして、当社グループ全体の収益構造を強化するとともに、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に結び付く計画といたしております。

ご覧いただいております上段は、長期ビジョンであります、「Vision 2030 forward 300」における売上高のイメージであります。今回の中期経営計画は、2021年度から2023年度までの3年間、それぞれの年の売上高で68億円、82億円、99億円を目指すものでありまして、長期的に2025年度には売上高150 億円、2030年度には売上高300億円を目指すものであります。

これには、既存事業の成長はもちろん、新事業の創設でありますとか、M&Aによる事業拡大をてことして成し得るものと考えております。

そして、それらを成し遂げるための三つの基本方針といたしまして、下段の競争力強化、成長拡大戦略、環境変化への対応力強化を掲げまして、それぞれ実行してまいります。少し具体的にご説明申し上げます。

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まず初めは、競争力強化におけます人材力の強化であります。

当社グループの主力事業であります住宅リフォーム事業や新築住宅事業におきましては、産業といたしまして、労働集約性が非常に高い業界となっております。AIの発達でありますとか、発展が叫ばれている今日でありましても、人の手を全く介することなく新築住宅を建てたり、あるいは住宅リフォーム工事を完成させたりするということはできません。従いまして、IT 技術を使いこなしながらも、それをつかさどるスタッフが必要になってまいります。

また、私どもの住まいづくりに当たりましては、お客様と一緒に家づくりを楽しみ、お客様と一生涯のお付き合いをすることを目指しておりますので、お客様の気持ちに寄り添うことのできる人材を確保する必要がございます。

従いまして、まずは新卒者を積極的に採用しますとともに、業界経験や建築士などの資格を保有する社員をキャリア採用し、人材の充実を図る必要がございます。そのためにも、働きやすい環境の整備はもちろん、次世代リーダーを育成、研修してまいります。

また、当社グループは、親会社を含めて5社となりました。当社グループは、それぞれの地域の事情に合わせつつ、それぞれの社風、文化を大切にしてまいりました。一方で、それぞれの会社同士の連携、ノウハウ共有も、グループ間シナジーを発揮する上では非常に重要になってまいります。

従いまして、グループ会社間の人材交流をさらに進めますとともに、協力体制を一層強化してまいります。

2023年のグループ人員は、2020年に対比しまして50 増加となります285名を見込んでおりまして、個々の力を最大限に発揮できる環境を整備してまいります。

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続きまして、競争力強化における新規事業の創出でございます。

当社グループは、現在、住宅リフォーム事業をメインに新築住宅、不動産流通という三つの事業の柱で事業を伸ばしてまいりました。今後もこの3本柱は変わることはございませんけれども、これから先、成長の規模とスピードを考えますと、当然ですけれども、第4、第5の事業、柱が必要となってまいります。

幸いにも当社が行っています住宅事業に関しましては、隣接している多くの業態がございます。従いまして、まずは既存事業に関連する新事業として、新しい価値を創造する新事業をはじめ、住まいに関するニーズにワンストップで応え、全ての相談に乗ることができる、さらに利便性の高い体制を追い求め、住宅関連総合企業となることを目指してまいります。

直近の動きといたしましては、昨年グループ化いたしましたインテリア販売業のアプリコットが、安江工務店の住宅リフォーム、既存の2 店舗に家具、インテリアコーナーを併設いたしまして、グループ間のシナジーを既に出し始めております。

これによりまして、3年後にはインテリア事業の売上高を6億円に設定し、第4の柱といたしまして、新たな事業としてまいります。

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次に、成長拡大戦略であります。成長拡大戦略には、大きく分けて二つ、既存営業エリアの拡大、深耕、そして新規営業エリアの獲得がございまして、まずは既存営業エリアの拡大、深耕についてご説明申し上げます。

当社グループは、現在グループ各社それぞれが、愛知県、大阪府、兵庫県、そして熊本県を営業エリアといたしております。建築業にとりまして、営業エリアを拡大する際に問題となりますのは、顧客の開拓はもちろんでございますけれども、サプライチェーンであります職人や、新しい拠点で活躍してもらうスタッフを確保することであります。

従いまして、まずは地域密着型を前提として、知名度を上げまして、その知名度を生かしながら既存拠点の隣接エリアや、近接主要都市に新店舗を開設するのが定石となってございます。

右の図をご覧いただきますと、安江工務店のある愛知県を例に取っておりますけれども、エリアを限定して店舗を集中的に出店いたしまして、そのエリアでのシェアを高めつつ、徐々にエリアを拡大していくドミナント戦略をさらに深化、深めてまいります。

直近では、今年の5月、3カ月後になりますけれども、今年の5月に愛知県の東三河地方の最大都市であります豊橋市に新規出店を予定しております。これによりまして、今まで名古屋を中心としたエリアから、もう一回り大きい愛知県という単位での事業展開を行ってまいります。

そして、これからの3年間で、グループ全体で7拠点を新たに開設いたしまして、それぞれのエリアで地域一番店を目指してまいります。

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成長拡大戦略のもう一つは、M&A戦略でございます。こちらは、新規営業エリアの基盤獲得手段の一つと考えております。

先ほど申し上げましたとおり、建築会社にとりまして、全く新しいエリアに進出する際に問題となりますのは、サプライチェーンである職人や、新しい拠点に配属する従業員の確保であります。これらを一気に解決する手段の一つが、M&Aやアライアンスでありまして、当社グループの持続的成長のためには必要不可欠なものであると考えております。

M&Aの対象先といたしましては、同業である住宅リフォーム業を中心とした中堅、中小の工務店を考えておりまして。それによりまして、営業や施工のノウハウを共有したり、既に構築されたサプライチェーンの活用や、共同仕入れなど、投資対効果を念頭に企業価値の最大化に取り組んでまいります。

数値的な計画といたしましては、ご縁があれば、年に1社から2社程度のM&Aを続けまして、毎年の売上高に占めます新規M&Aの寄与率を6%に設定して、スピーディーな拡大を目指してまいります。

まずは西日本を中心に、エリアとして、ある程度の展開が進みましたら、次は東の方向、首都圏に展開したいなという考えを持っております。

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3 点目は、環境変化への対応力強化であります。

冒頭申し上げましたとおり、新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、日常生活はもちろん、事業活動にも大きな変化がございました。営業面におきましては、お客様と対面して、お打ち合わせをするのが当たり前の手法でしたけれども、いち早くLINEやZoom等を活用した打ち合わせをスタートしておりまして。非対面での打ち合わせを希望されるお客様にも対応するとともに、さらに、より効率的な営業活動を追求してまいります。

また、従来とは異なるニーズ、具体的には在宅ワークなど、新しい生活様式に対応した住宅リフォームですとか、抗ウイルス効果のありますコーティングや、しっくいなども引き続き開発、提供をしてまいります。

一方で、資料の右側になりますが、グループ会社が増えたことによりまして、システム投資が行いやすくなりました。また、この効果も大きくなってまいります。具体的には、記載の内容から順次進めてまいることになりますが、デジタルトランスフォーメーションを見据えましたシステム投資を継続的に行いまして、間接部門の効率化を図り、環境変化に対応する機動的な営業体制を構築してまいります。

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最後に、環境の変化に対応する財務基盤の強化でございます。

こちらは、もともと有事の際に機動的な資金調達を行い、安定した財務基盤を維持するという、どちらかと言えば守りをイメージしておりましたが、実は新しい厳しい時代にこそ、積極的にM&Aを行うという、攻めの一面も持ち合わせております。

これによりまして、新たなM&Aを実現し、企業価値の最大化を図ってまいります。

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以上、中期経営計画の定量目標ですが、2023年12月期には住宅リフォーム、新築住宅、不動産流通事業、各事業がそれぞれ成長をして、新規のM&Aを見込みまして、売上高99億5,400万円、営業利益は過去最高の3億2,400万円を目指してまいります。

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続きまして、今後の具体的戦略について、ご覧の3点をご説明申し上げます。

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まず、第1は、人材の確保と育成であります。

先ほども申し上げましたとおり、住宅産業は非常に労働集約性の高い業界でありまして、また住宅という商品性から、建物での差別化も出しにくい業界でもあります。

一方で、お客様が住宅会社に何を望まれているかと申しますと、トップ2は、対応の良さ、そして品質の高さであります。従いまして、私どもも、まずはお客様に喜んでいただくことに喜びを感じることができるスタッフ、こういった人材を増やしまして、業容の拡大を目指してまいります。

当社では、10年以上前から新卒者の採用を継続的に行っております。これは、当時同規模の住宅リフォーム会社では、まだあまり行われておりませんでしたけれども、当社では、いずれ新卒で入社した社員が幹部社員に育って、部門とか拠点を任される日が来るだろうと思いまして、続けてまいりました。

その結果、現在では11店舗ございます店舗責任者の半数近くが新卒入社組でございまして、若いながらも当社らしさ、安江工務店らしさを出してくれて頑張っております。従いまして、今後も新卒者を中心に積極的な採用活動を行ってまいる所存です。

なお、グラフにございますとおり、この4月に入社します2021年組は、過去最多であります23名の入社を予定しておりまして、引き続き、積極的な採用活動を行ってまいります。

また、品質の高さにつきましても、さまざまな研修と教育体制の充実によりまして、現場レベルもさらに向上させるとともに、こちらは代表取締役会長の安江自らが直接、新卒新入社員を指導する研修でございますけれども。そこで鍛えられた新人が、全社員の前で堂々のプレゼンテーションを行うといった、次世代のリーダーの育成にも注力してまいります。

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次に、新常態におけます当社の強みについて、少しご説明申し上げます。

昨年から続きます、新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、多くの企業が影響を受けております。もちろん、私どもも1回目の緊急事態宣言発出の際には消費マインドの低下によりまして、一時的に影響を受けました。しかしながら、その後は前年同期を上回るペースでリフォームの引き合いを頂戴するなど、回復をしてきております。

思いますに、私どもが行う住宅リフォームの事業は、普段の生活を支える住まいを維持するために必要なものでありまして、景気の影響をあまり受けないという特徴がございます。ここに記載しておりますような住宅設備機器の故障や水漏れですとか、外壁塗装といったメンテナンスに関しまして、景気が良くないから、やらないというようなことは、まれでありまして、非常に安定した市場でございます。

また、今回の新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、人々の生活が大きく変わりました。 具体的には在宅勤務や外出自粛によりまして、在宅時間が増えました。お住まいに対しまして、より快適性を求めるリフォームが多くなってきております。

総務省が発表しております家計調査の結果を見ましても、旅行でありますとか外食が大きく減り、 他方で、自宅などの設備の修繕、維持、そして家庭用耐久財などの支出が増えておりまして、今まで以上に住まいが着目されております。

こういった中、私どもは市場の要望に合わせたリフォーム工事にも対応してございます。 具体的には、個室ワーキングスペースの設置でありますとか、タッチレス商品の導入をはじめとしまして、 抗菌コートがあります、当社オリジナルの無添加厚塗りしっくいや、ナノ抗菌R コートの商品名で売り出しを始めました、抗菌効果があるコーティングの施工など、コロナ感染の対策リフォームを充実しております。

以上のとおり、私どもは安定した市場におきまして、総合力を発揮し、住まいのかかりつけ医として、お客様にとって利用しやすい身近な工務店として、さらなる利便性の向上を図ってまいります。

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三つ目は、地域一番店戦略であります。こちらも、先ほど少しご説明申し上げましたが、当社グループはドミナント戦略といたしまして、特定の地域に集中的に出店し、地域で最も頼られる存在になることを目指しております。

地図は、愛知県でありますが、赤い部分は人口が集中している地域でございます。左上は愛知県の中心地であります名古屋市になりますけれども、集中的に出店するとともに、県内の主要都市を網羅すべく、今年の5月、先ほど申しましたとおり豊橋市への出店。豊橋は右の下のほうにありますね、地図でいいますと。これを予定しております。

このように、特定のエリアで知名度、シェアでNo.1を目指す事業を展開します 関西地区、九州地区におきましても広げてまいります。

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それでは、今年2021年12月期の連結業績予想につきまして、ご説明いたします。

2021年12月期につきましては、売上高は前期比27.6%増となります68 億8,500万円を予想しております。 これは、新規出店で住宅リフォーム事業の営業エリアが拡大することに加えまして、 既存エリアでのシェア向上によるものであります。

また、営業利益は前期比で5 倍以上となります1億5,800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は7,200万円の黒字転換を予想しております。これは、業容拡大のための人員増に伴います人件費の増加などはありますものの、業務改善によりまして原価の低減を進めまして、売上総利益率が回復するものと見込んでいることによります。

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続いて、セグメント別の業績予想でございます。

まず、売上高についてですが、昨年の5月以降、事業の上では新型コロナウイルス感染症の影響が小さくなってまいりまして、需要が回復してまいりました。こういったことに加えまして、昨年10月にグループ化いたしました子会社の業績寄与が今年は通年になってまいりますので、全てのセグメントにおきまして増収の予想をしております。

利益につきましては、売上高の増加に加えまして、住宅リフォーム事業では価格戦略の見直しによります大幅増益。また、不動産流通事業におきましても、売上総利益率の改善が進むことから、黒字転換を予想しております。

しかしながら、新築住宅事業におきましては、新たな拠点の開設費用、また、それに伴います人員増等によりまして減益を予想しております。

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続きまして、今年度より公表してまいります毎月の受注高と、現在の足元の状況につきまして、ご説明申し上げます。

当社は従来、四半期に一度の短信におきまして、売上高、そして利益額等の業績発表を行っておりましたけれども、投資家の皆様をはじめとするステークホルダーの方々に、投資判断に必要な情報をいち早く提供することが重要であろうと考えまして、2021年12月期、この1月分より連結受注高の月次状況を公表することといたしまして、昨日、その第1弾を公表いたしました。

受注高につきましては、全てのセグメントを合計した速報値としまして、該当月の翌月中旬頃の発表を予定しております。

また、足元の状況についてでありますが、2021年の1月、昨日の発表の内容は、安江工務店の営業エリアであります愛知県にも2回目の緊急事態宣言が発出されましたけれども、住宅リフォームの引き合いは例年並みを確保することができております。月次の連結受注高が前年同期比で35.6%増加となるなど、まずは順調なスタートを切ることができております。

しかしながら、緊急事態宣言が延長され、現在の新型コロナウイルス感染症の収束のめども立っていないことから、お客様や当社社員が安心して打ち合わせができるよう、感染症対策を十分に行いまして、引き続き営業活動を継続してまいります。

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最後になりますけれども、配当政策について少しご説明を申し上げます。

まず、配当方針でありますが、当社グループは、年1回の期末配当、ならびに業績に応じまして中間配当を行うことを基本方針といたしております。

業績の見通しを勘案した上で、安定的な配当を行うことを目標としておりまして、配当性向につきましては、中長期的には25%から30%程度をめどとしまして、株主への利益配分を図ってまいります。

2020年12月期の配当金につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による減益によって、2020年11月10日の開示にて、期末配当を1株当たり18円とさせていただいておりましたが、昨日開示いたしましたとおり、期末配当を1株20円に、若干ですけれども、引き上げ修正をいたしました。

昨年と比べまして、減配になりましたことについては深く受け止めております。早期の業績回復に努めてまいる所存です。

また、2021年12月期の配当予想でありますが、期末配当といたしまして、1株当たり25円を予定しております。

株価の指標につきましては、2月5日の終値ベースですけれども、以下となっております。

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最後に、株主への還元方針といたしましては、先ほどの配当に加えまして、自己株式の取得も市場動向や業績見通しなどを勘案しながら、引き続き、機動的な資本政策といたしまして検討してまいりたいと考えております。

以上をもちまして、株式会社安江工務店の2020年12月期の決算説明とさせていただきます。

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