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株式会社安江工務店の2022年12月期決算説明会を開催いたします。

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本日は、ご覧いただいております六つに分けて順にお話ししてまいります。

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まずは、簡単に当社のことを紹介させていただきます。

創業は1970年、今年で53年目の住宅会社であります。100%、BtoCで、訪問営業を行わない、全て反響営業というスタイルで、お客様からお問い合わせをいただいて商談が始まるスタイルをとっております。

2017年2月に上場しまして、現在の市場は、東京証券取引所スタンダード市場、そして名古屋証券取引所メイン市場であります。一般住宅の総合リフォーム会社では、上場しているのは当社1社であります。

本社は名古屋市にございまして、本社事務所のほかに、愛知県内に13店舗、兵庫県内に2店舗を展開しております。また、子会社を大阪、兵庫、熊本に置きまして、グループ人員数は238名。三つの住宅会社とその周辺事業に位置しますインテリアを取り扱う会社を買収してからは、グループ内の各店舗へのインテリア販売拠点の併設を進めております。

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こちらの事業内容、左の円グラフをご覧いただきますように、70億円の売上のうち、80%を主力の住宅リフォーム事業が占めておりまして、三つのセグメントの売上構成比率を表しております。主力のリフォーム事業のほか、新築事業が10%、不動産事業が約10%という割合となっております。

リフォーム事業は、一般のお客様向けに、メンテナンス工事から、間取り変更や耐震補強、増改築といった大規模工事、リノベーションまで、住宅全般に幅広く対応しております。

また、新築住宅事業では、自然素材や高性能断熱に力を入れた注文住宅を手がけておりまして、デザイン性にこだわったラインナップをそろえております。

そして、不動産流通事業では、不動産の売買、仲介、中古住宅の買取再販、分譲住宅の販売も行っております。

右の棒グラフは、三つの事業のワンストップサービスを開始してからの売上推移になります。現在は3社のグループ会社とともに、住宅リフォーム事業を中心に業績を伸ばしているところであります。

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次に、地域密着型の営業体制についてご説明します。

人から人へ住み継ぐ不動産流通事業、新たに建てる新築住宅事業、直し・再生するリフォーム・リノベーション事業。当社グループのビジネスは、ストック型の循環ビジネスモデルとして、生涯顧客という考え方のもと、住まいのことで何かあれば安江工務店、住まいのかかりつけ医のような存在を目指しております。

そのために、地域密着型の営業体制として、品質とお客様満足にこだわり、既存のお客様からのリピート比率をKPIの一つとして重要視しており、安定して一定のリピートのご注文をいただけるように高い顧客維持率を継続しており、安定した収益構造をつくっています。

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続きまして、当社の強みです。

リフォーム専業店としての当社の強みは主に二つ。オリジナル自然素材とデザイン力であります。

まず、オリジナル自然素材の中で、特に「無添加厚塗りしっくい」ですが、一昨年、外部機関の実験によりまして、新型コロナウイルスに組成が近いとされるヒトコロナウイルスで不活化効果が実証されました。現在、コロナ禍において引き合いが増えている商材であります。このしっくいは、完全自社開発でして、一般的な流通品と違い、自然素材だけを使用しているため、安心してご利用いただけますし、リーズナブルに提供できております。

大きく二つ目の強みが、デザイン力です。単に機能性ばかりを追求するリフォームではなく、そこに使い勝手やデザイン性をプラスする。モノの価値ばかりでなく、コトの価値を大切に提案しております。安心で豊かな住生活をもたらす、自然素材と提案力、デザイン力を活かして、オンリーワンの住まいづくりのお手伝いをしております。

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ここからは、2022年12月期の通期決算の概要についてお話ししてまいります。

まず、2022年12月期のハイライトになります。

2022年12月期の業績は、前年比で増収増益となりました。売上高は5期連続で過去最高となり、営業利益と経常利益は上場来の最高益となりました。

成長戦略としましては、主にグループ会社のMIMAで2店舗目となります東大阪店を開設したり、当社の1号店であります天白店を現店舗至近の幹線道路沿いに新築移転しまして、視認性を向上させました。

トピックスといたしましては、主にグループ会社でありました株式会社N-Basicを経営の効率化を目的に吸収合併したことや、2022年12月期の配当を当初予想から5円増配の30円に修正したことが挙げられます。

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次に、損益計算書の概要についてです。

先ほどのスライドでも触れましたが、増収増益という内容でありまして、それぞれの項目を簡単にご説明申し上げます。

連結売上高につきましては、住宅リフォーム事業が堅調に推移した一方で、新築住宅事業、そして不動産流通事業で減収となりましたので、グループ全体では微増という結果となっております。

営業利益をご覧いただきますと、テレビCMやYouTubeなどのSNSを活用した新たな広告宣伝戦略により、営業効率が向上しております。さらに、店舗の増加に伴う拠点維持費用や、人員増に伴う人件費等のコスト増を吸収して、増益という結果となりました。

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次に、詳しい分析です。こちらは前期からの増減要因の分析です。

上段の売上高の増加要因につきましては、住宅リフォーム事業では、大型工事や外壁塗装工事の受注が堅調に進み、4億5,600万円の増収となりました。

一方で、新築住宅事業では、ウッドショック等による消費マインドの低下により受注が低調となり、2億9,800万円の減収。

また、不動産流通事業におきましては、不動産価格の高騰によって販売用不動産の仕入れを厳選したことにより物件数は減少し、2,400万円の減収となりました。これらの結果、売上高は前期比で1.9%の増加となっております。

下段の営業利益の増加要因につきましては、主に売上高の増加により4,200万円の増益があり、さらに利益率の改善によって3,000万円の増益となりました。

他方、人件費の増加によりまして1,400万円の減少、広告宣伝費の増加によって1,500万円の減少がありましたが、これらをこなして、前期比で営業利益は9%の増加となりました。

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次に、こちらはセグメント別の推移になります。

左の住宅リフォーム事業は、当社の主力事業として、おかげさまで近年順調に売上を伸ばしております。引き続き業容の拡大をしていくとともに、業務効率の改善を進め、営業利益率の向上に努めてまいります。

中央の新築住宅事業の売上は、近年は減少傾向にあります。少子化や、需要がリフォームへ移っているなどの理由もありますが、付加価値の高い住宅を提供するなど、他メーカーとの差別化を打ち出しながら受注活動を促進してまいります。

右の不動産流通事業の売上は増加傾向にあります。一団の土地を取得して開発事業を行うなど、他事業と連携しながら積極的に事業展開を行いまして、高収益化を推進してまいります。

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次は、四半期ごとの業績推移です。

売上高につきましては、第1四半期は前年同期比で減収となりましたが、第2四半期以降は、前年同期比で過去最高で推移しました。

営業利益をご覧いただきますと、第2四半期に営業赤字となりましたが、これは店舗増による積極的な人員採用や広告宣伝費といった先行投資によるもので、結果、第3四半期以降の利益の伸びにつながりました。

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ここで、売上総利益と販管費の状況についてご説明します。

売上総利益率につきましては、相対的に利益率の高い住宅リフォーム事業の売上比率が上昇したことにより、0.4ポイント上昇しました。ウッドショックなどの資材高騰の影響による新築住宅事業の落ち込みを競争力が高い住宅リフォーム事業によってカバーできたことも要因となっております。

売上高人件費率に関しましては、子会社増加により人件費そのものは増加したものの、生産性の向上により0.1ポイント改善しました。

また、売上高広告宣伝費率は、店舗網の拡大に伴い積極的に広告宣伝を展開したものの、0.1ポイントの高まりにとどまっております。

その他の経費において、売上対比が0.2ポイント高まっておりますが、これは店舗増加に伴う地代家賃の増加や、光熱費、燃料費の上昇によるものであります。

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次の貸借対照表とその次のキャッシュ・フロー計算書につきましては、資料にてご確認いただきますようお願い申し上げます。

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ここからは、2023年12月期の業績予想についてお話ししてまいります。

2023年12月期の連結業績予想につきましては、売上高は74億円で、前期比5.5%の増加。営業利益は7%の増加で、2億4,200万円。純利益は1%あまりの増加、1億3,600万円を予想しております。計画どおりに進みますと、売上高は6期連続の増収、過去最高の売上高となり、営業利益、経常利益ともに3期連続の増益、上場来の最高益となる見込みであります。

売上の増加要因としましては、主力の住宅リフォーム事業におきまして、新規出店による営業エリアの拡大、既存エリアでの市場深耕・シェア拡大によって売上増加を見込んでおり、前期比5.5%増の74億3,600万円を計画しております。

営業利益の増加要因としましては、SNSの活用をさらに進めるなどして、広告宣伝の効率を向上させ、利益率を改善するとともに、現場管理の効率化や品質向上を進めることにより原価の低減が進むと見込んでおりまして、7%増の2億4,200万円を予想しております。

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次に、セグメント別の業績予想であります。

住宅リフォーム事業につきましては、新規出店による営業エリアの拡大や、既存エリアの深耕によってシェア拡大を進め、増収増益を計画しております。

一方で、新築住宅事業につきましては、ウッドショックなど、各種建材価格高騰の影響等による消費マインドの低下により、受注が低調となっております。減収減益を予想しております。

さらに、不動産流通事業に関しましては、2022年に仕入れました中規模分譲宅地の販売を開始しますので、増収増益を見込んでおります。

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ここからは、中期経営計画の進捗についてご説明いたします。

当社グループは、2030年に売上高300億円の規模を目指す長期ビジョンであります、「Vision 2030 forward 300」を実現するための基盤づくりとしまして中期経営計画を掲げており、2023年度はその最終年度となります。

当社グループ全体の収益構造の強化に向けて、三つの基本方針を策定しており、特に競争力強化と成長拡大戦略に注力しております。

競争力強化では、主に人材力の強化を重点課題としております。当社は、建設業として労働集約型のビジネスを展開しておりますので、技術者やマネジメント層の確保が重要になってまいります。新卒を中心に積極的な採用を継続するとともに、労働環境の改善に一層努め、また社内での育成体制の充実を図って社員の成長を促してまいります。

成長拡大戦略ですが、後ほど詳しくお話させていただきますが、既存営業エリアの拡大と深耕、そして新規営業エリアの拡大、M&Aを積極的に行ってまいります。

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次に、中期経営計画の定量目標でございます。

2年目となります2022年12月期ですが、売上高については、新規のM&Aがなかったこと、既存事業において売上成長率が予定を下回ったことから、中期経営計画を下回りました。その一方で、ワークライフバランスを重視し、営業利益につきましては、利益額・率をポイントに業務改善を強力に進めたことから、中期経営計画を上回る水準を確保いたしました。

3年目であります2023年12月期の業績予想ですが、中期経営計画では、新規M&Aによる費用を見込んで計画しておりますが、M&Aは相手方もある不確実な事象でありますため、今回の業績予想には含めておりません。したがいまして、売上高、営業利益とも中期経営計画とは離れておりますが、引き続き既存事業の成長とともに、当社グループと親和性の高い企業とのM&Aを積極的に行い、持続的な成長と企業価値の向上を図ってまいります。

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ここからは、住宅市場の変化と事業戦略についてご説明してまいります。

まずは、住宅市場全体の変化についてですけれども、上の折れ線グラフは新築持家の着工戸数の推移を表しております。ピークの1996年は64万戸ほどであったのに比べまして、26年後、一世代後の2022年には25万戸ほどと、需要は半数以下になってきています。

一方、下の棒グラフをご覧いただきますと、住宅リフォーム市場の規模の推移と予測になります。多少の変化はあるものの、近年5年ほどは増加傾向で推移しており、2030年に向かっても緩やかな成長が見込まれております。

これらの主な要因は、少子化によって住宅の一次取得者である20代後半から30歳代の人口が減っていることに加えまして、日本人の住宅に対する意識が変化してきているからであると分析しております。

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では、その住宅に対する意識の変化でありますが、近年までの日本では、新しい家を持つことが一人前の証しとする意識が強く、戸建住宅は約30年の周期でスクラップアンドビルドを繰り返してきました。しかしながら近年では、動産・不動産を問わず、使えるものは大切にしたいといった、物を大切にする社会に変わってきています。

左のグラフは、中古住宅の流通に関わるリフォーム・リノベーション市場の規模の推移を表しております。近年は増加傾向が見られ、既存住宅、つまり中古住宅を購入してリフォームやリノベーションをされる方が増えてきていることがおわかりいただけます。

また、右のグラフでも、2022年の既存(中古)戸建住宅を選んだ理由の調査では、新築と比べて既存住宅は価格が手頃であることに加え、新築にこだわらないといったお考えであったり、リフォームすることによって快適に住めるなど、住宅リフォームの技術や品質が向上して、「中古住宅+リフォーム」が広まってきました。快適に長く住み継いでいくことに高い価値を見いだすようになってきました。

当社としましても、住宅リフォームは、以前の壊して造ることに比べて、環境負荷は大きく減ることから、住宅リフォームを積極的に推進することがサステナブルな社会の実現につながるものと考えております。

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ここからは、事業戦略についてご説明します。

今年度は四つの事業戦略を進めてまいります。

一つ目は、成長事業の強化であります。こちらのグラフは、縦は競争力や優位性、横はシェアや認知度を表しております。当社の最大ブランドであります住宅リフォーム事業をさらに伸ばして、他の事業をけん引していく手法をとってまいります。

それでは、それぞれの事業についてご説明してまいります。

まず、当社の主力事業であります、一番右の住宅リフォーム事業です。営業エリアにおいては、おかげさまで高い認知度をいただいており、成長戦略として引き続きブランド力を活かしたドミナント出店や、グループ間のシナジーの追求、また得意とするデザイン力をさらに高めていくとともに、工事の種別を細分化して専門性を高め、他社との差別化を図ってこれからも大きく成長してまいります。

次に、中央の新築住宅事業ですが、こちらはまだシェアや認知度が十分ではないと認識しております。成長のためには、住宅リフォーム事業で築いた認知度を活かし、大手ハウスメーカーの工業化住宅にはない自然派高性能住宅の価値を訴求し、感動と使い勝手を両立するデザイン力を磨いてまいります。

最後に、一番左に位置します不動産流通事業です。この事業は、シェア競争力におきまして、まだまだ伸びていく余地が大いにあります。まずは先行する他事業との連携や建売住宅事業を強化して地域での認知度を向上させ、商圏において最も多くの不動産物件情報が集まる、地元情報力が最も高い店舗を目指してまいります。

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二つ目は出店戦略です。これには、既存商圏の拡大と市場深耕の施策があります。

既存商圏の拡大につきましては、地域密着型を前提に、現在の営業拠点から隣接した地域、いわゆる地続きに出店しまして、新たなお客様と出会いながら、新たなサプライチェーンを構築してまいります。

さらに、既存営業エリアにおきましては、スピード対応や移動効率を考え、店舗と店舗の間に新店舗をさらに開設して、ドミナント戦略を深化させていく。これによって市場深耕を進め、さらにシェアを高めてまいります。

このような戦略に基づいて、当期は2店舗の開設を予定しており、今後も新規出店によって営業エリアの拡大と市場深耕を図ってまいります。

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これからも引き続き、既存の営業エリアから、地理的に離れた新規営業エリアの開拓を進めてまいりますが、営業エリアの新規拡大でポイントになってくるのは、現場作業員やそこで働く社員の確保であります。これらを一気に解決する手段がM&Aでして、その対象先を同業である工務店や住宅リフォーム会社にしております。

営業や工事のノウハウを共有したり、共同仕入れによる購買力の強化、つまり原価の圧縮など、投資対効果を考えて行っております。

このようにして、グループ内でのシナジーを発揮しながら、住まいのかかりつけ医の連合体をつくってまいります。

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もう一つの事業戦略は、新規事業の創出であります。

当社グループは、住宅リフォーム事業をメインに、新築住宅、不動産流通という三つの事業の柱で現在まで事業を伸ばしてまいりました。今後もこの三本柱は変わることはありませんが、これから先の成長の規模とスピードを考えますと、第4、第5の事業、柱が必要となってまいります。

そこで、半世紀にわたる経験であったり、培ってきたノウハウを活かし、マーケットの大きい法人リフォームへの参入をしてまいります。

またご承知のように、増え続けています空き家問題の解決策の一つとして、中古住宅、既存住宅に新しい価値をプラスして再生し、中古住宅流通の活性化を図ってまいります。

加えまして、住宅に関する多様なサービスの一つとして、既に当社で少しずつ始めておりますが、老後の生活資金の不安を解消できるリースバック事業など、安心安全な暮らしができるサポートをさらに推し進めてまいります。住まいに関する全てのニーズに応える利便性の高いサービス体制を構築し、住宅関連総合企業へと力強く成長してまいります。

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最後に、株主還元としての配当方針でございます。

基本的に、安定的な配当を続けることで、株主様には長期にわたって当社株式を保有し続けていただけるように努めてまいります。

2022年12月期、この3月支払いの配当につきましては、当初予想より5円増配の30円とさせていただいており、2023年12月期につきましても、現在のところは1株当たり30円の配当を予想しております。

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最後に、参考資料としまして、上場からの株価の推移、当社グループのESGやSDGsの取り組み、よくあるご質問への回答を掲載しておりますのでご覧いただけると幸いでございます。

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以上をもちまして、株式会社 安江工務店2022年12月期の決算説明を終了させていただきます。今後とも皆様方のご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。最後までご視聴ありがとうございました。

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