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株式会社安江工務店の2022年12月期第2四半期決算説明会を開催いたします。

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それでは、本日の内容につきまして、ご覧いただいております目次の通り六つに分けて順にご説明申し上げてまいります。

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まず初めに、当社グループの概要を簡単にご説明いたします。

親会社であります安江工務店は、1970年の創業で、今年で52年目になります。グループ人員数は248名、2017年に上場いたしまして、現在の上場市場は、東京証券取引所スタンダード市場、名古屋証券取引所メイン市場でございます。

親会社は安江工務店、愛知県内に13店舗を展開しており、本社は名古屋市にございます。

グループ会社を簡単にご説明申し上げますと、大阪府に2店舗ございます株式会社MIMA、神戸市に2店舗ございます株式会社N-Basic、そして熊本で事業を行っております株式会社トーヤハウスに安江工務店を合わせた四つの建設会社と、周辺事業に位置する、姫路でインテリアを取り扱っておりますアプリコット株式会社でございます。

このアプリコットの事業に関しましては、グループ化後に安江工務店の店舗への拠点併設を進めており、今年度に3拠点増設し、現在6拠点となっております。

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続きまして、売上構成比と推移でございます。

左の円グラフは、三つのセグメントの売上構成比を表しております。主力の住宅リフォーム事業が75%ほど、新築住宅事業が14%、不動産流通事業が約11%という割合で構成しております。

住宅リフォーム事業におきましては、一般の顧客に向けたメンテナンス工事から間取り変更や耐震補強、増改築といった大規模工事、リノベーションまで、住宅全般に幅広く対応しております。

新築住宅事業では、自然素材や高性能断熱に力を入れた注文住宅を取り扱っており、デザイン性にこだわったラインナップを取り揃えております。

三つ目の不動産流通事業におきましては、不動産物件の売買・仲介、中古住宅の買取再販、分譲住宅の販売を行っております。右側の棒グラフでは三つの事業のワンストップサービスを開始してからの売上推移を表しております。

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続きまして、地域密着型の営業体制についてお話し申し上げます。

人から人へ住み継ぐ不動産流通事業、新たに建てる新築住宅事業、直し、再生するリフォーム・リノベーション事業。当社グループのビジネスは、ストック型の循環ビジネスモデルとして、生涯顧客という考え方を持っております。

お客様から一度に大きな工事を頂戴するよりも、いかに長くお付き合いをいただくか、換言すれば、当社グループのファンになっていただくこと、つまり、「次に家に何かあったらまた頼むね」と言っていただける関係をつくることを目指しております。

そのために地域密着型の営業体制といたしまして、品質とお客様満足に徹底的にこだわり、既存客からのリピート率をKPIの一つとして重要視しております。毎年一定のリピートを安定していただけるOB顧客様を多く持つことが重要だと考えております。地域社会の皆様が安心して暮らせる「住まいのかかりつけ医」のような存在を目指してまいります。

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続きまして、当社の強みでございます。

リフォーム専業店の中での当社の強みは主に二つ、オリジナル自然素材とデザイン力です。

一つ目のオリジナル自然素材の中で、「無添加厚塗りしっくい」が、一昨年に外部機関の実験により、新型コロナウイルスに組成が近いとされるヒトコロナウイルスにおいて、不活化効果が実証されております。コロナ禍において引合いが特に増えている商材です。

完全自社開発で、自然素材だけを使用しているため安心して使用でき、自社開発ですからリーズナブルに提供ができております。しっくいは、お城や蔵などに古くから使われてきて、高い調湿効果、遮音性、耐火性などから人気があります。

二つ目のデザイン力ですが、これは単に古くなった設備の取替え工事ではなく、そこに使い勝手やデザイン性をプラスする当社自慢の設計デザイナーが、お客様に感動していただける付加価値の高いリフォームの提案・提供に努めております。これらを用い、当社では自然素材を活かしたオンリーワンの住まいづくりをお手伝いいたしております。

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ここからは、2022年12月期の第2四半期決算の概要についてご説明申し上げます。

まず、2022年12月期の第2四半期のハイライトでございます。

当第2四半期は前年同期比で増収減益となり、売上高といたしましては過去最高、2期連続増収となっております。

各利益ならびに成長戦略、そしてトピックスにつきましてはご覧いただいている通りです。

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次に、損益計算書の概要でございます。

先ほどのページでも触れておりますが、増収減益という内容です。それぞれの項目を簡単にご説明いたします。

連結売上高でございますが、リフォーム事業が堅調に推移いたしました一方で、新築住宅事業、そして不動産流通事業では減収となり、グループ全体では微増という結果となりました。

また、営業利益につきましては、店舗の増加に伴う拠点維持費用や、人員増に伴う人件費、そして広告宣伝費等の販売費及び一般管理費が増加し、減益という結果となりました。

詳しい分析は次のページで行っておりますので、こちらをご覧ください。

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こちらは、前年同期からの増減要因分析になります。

上段の売上高の増加要因につきましては、住宅リフォーム事業におきまして、大型工事や外壁塗装工事の受注が堅調に推移いたしました。

また、新築住宅事業におきましては、熊本の震災復興需要の反動減、そしてウッドショック等の影響により、受注が低調に推移いたしました。

さらに不動産流通事業におきましては、不動産価格の高騰により、販売用不動産の仕入減少が影響いたしております。

売上高は前年同期比で0.4%の増加という結果となりました。

下段の営業利益の減益要因につきましては、売上の増加、そして利益率の改善の一方で、店舗の増加に伴います拠点維持費用や人件費、広告宣伝費等が増加いたしました。

この結果、営業利益は前年同期比で90.3%の減少となりました。

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次に、セグメント別の推移でございます。

ご覧いただきますように住宅リフォーム事業におきましては、売上高は10.2%の増収。

新築住宅事業につきましては、先ほど申し上げました要因により27%の減収。

さらに、不動産流通事業におきましても23.6%の減収となっております。

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次に、四半期推移についてご説明いたします。

まず、売上高につきましては、第1四半期は同期比で減収となりました一方で、第2四半期におきましては、同期比で過去最高となっております。

営業利益におきましては、第1四半期は経費支出を抑えまして、黒字を確保いたしました一方で、第2四半期では積極的な人員の採用による人件費の増加や、積極的な広告宣伝の実施展開に伴いまして経費が増加し、営業赤字となっております。

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続きまして、売上総利益と販管費の状況についてご説明いたします。

売上総利益率はおおむね前年同期並みでございまして、売上高人件費率に関しましては、人員増に伴いまして人件費が増加いたしましたため、0.8ポイントの悪化となりました。

また、売上高広告宣伝費率につきましては、店舗網の拡大に伴い、積極的に広告宣伝を行ったため、0.3ポイントの悪化となりました。

その他、店舗の増加に伴いまして拠点維持費用の増加等によって0.7ポイントの悪化となっております。

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次の、貸借対照表とキャッシュ・フロー計算書につきましては、資料をご参照いただきたいと存じます。

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ここからは、第2四半期までの主な取り組みについてご説明いたします。

まず初めに、人材の確保と育成であります。人材の確保と定着率の向上に向けて、新卒の採用は、インターンシップの早期開始と内容の充実により、2022年新卒は過去最多の24名を採用いたしております。

次に、労働環境の改善策といたしまして、より一層納得感の高い給与賞与制度に改定するとともに、年間休日数の5日増加を決定いたしております。また、長時間労働の抑止策といたしまして、パソコンの一斉シャットダウンを行っており、こういった福利厚生の充実に関しましては、社員で構成する委員会からの発案によって進めております。

次に、人材育成体制の充実に関しては、経営トップが指導する次世代リーダー研修であったり、建築基礎から営業基礎といった充実した新人教育を実施しております。

また、社外研修といたしまして職人研修による現場実習、さらに外部講師による営業・リーダー研修を行うとともに、社内ではメンター制度を導入し、コミュニケーションの活性化に努めております。こういった施策により、効率的に早期戦力化を実現いたしております。

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次に、成長拡大戦略でございます。

新商圏への拡大は、今年2月に大阪府第3位の人口を擁する東大阪市へ出店いたしました。これによりまして、大阪府東部全域を商圏とすることができました。

また、既存商圏の深耕につきましては、当社1号店であります名古屋市の天白店を新築移転いたしました。こちらは旗艦店でありまして、リフォーム・新築・不動産の三つの事業が入っていることから、初めて住宅を取得される方など、若いお客様の取り込みを行ってまいります。

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次に、専門店化による競争力の強化でございます。

当社が行う総合リフォームには、部分的工事の単体工事と、大規模改装などの複合工事がございます。

右側の表は、実施したことがあるリフォームの部位別ランキングですが、その中で1位の外壁と3位の屋根は、建物を守る、いわゆる外装として、見た目はもちろん雨漏りや外壁塗装など高い技術力が必要となります。

また、門や玄関まわり、車庫や物置など、エクステリアと呼ばれる住まいの顔になる部分につきましても、一層豊富な商品知識、専門性が際立つ部位であり、周囲の建物や街並みとの景観調和など、センスが必要となります。

こういった専門性の高い運営で専任担当者制とすることにより、より専門知識を活かした提案やスピード対応ができております。また、単体の工事のみを行う業者とは違い、長年にわたって積み上げてまいりました豊富な経験やノウハウを活かして、複合工事にも対応できる安心感を武器に、他社との差別化を進めております。

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次に、既存事業とのシナジーでございます。

当社のスローガンといたしまして「住まいサポートから暮らしサポートへ」がございます。その一例が、2年前にグループ化しましたアプリコット株式会社です。

従来、リフォームとインテリアは、別々の会社に依頼されることがほとんどで、デザインの統一感が損なわれるといったウィークポイントがありました。そこでこれらをトータルに提案することによって、リフォームの仕上がりとインテリアがマッチしたデザイン性の高い住まいをコーディネートできるよう進めてまいりました。

お客様からは、「ワンストップで頼めるようになったね」と好評をいただいております。今期3拠点を増設済で、現在6拠点となっております。

このように、当社グループの既存店舗に当社グループでインテリア事業を展開する子会社の拠点を併設することにより、お客様の満足と事業におけるシナジーを追求いたしております。

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次に、ESGとSDGsの取り組みでございます。

当社グループは、ESGやSDGsに取り組んでおります。事業においては、漆喰などの自然素材を使用した住まいづくりの推進や、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の促進を行っております。

また、環境美化活動にも積極的に参加し、地域社会への貢献にも取り組んでおります。

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ここからは、今後の主な戦略についてご説明いたします。

一つ目は、出店戦略でございます。

既存商圏の拡大と深耕の施策がございます。既存商圏の拡大に関しましては、地域密着型を前提に現在の営業拠点から隣接した地域、いわゆる地続きに出店しております。新たなお客様と出会いながら、新たなサプライチェーンを構築いたしております。

さらに、既存営業エリア内におきましては、スピード対応や移動効率を考え、店舗と店舗の間に新店舗を新たに開設するドミナント戦略を一層深化させております。これにより、さらにシェアを高めております。

当第2四半期におきましては、営業エリアの拡大として、2月にグループ会社のMIMAで1店舗、既存営業エリア内の深耕策として、6月に当社安江工務店で1店舗新築移転を行っております。今後も出店によって、営業エリアの拡大と市場深耕を図ってまいります。

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次の施策として、新規営業エリアを獲得する成長拡大戦略です。

建築会社が既存の営業エリアから遠く離れた新規営業エリアを開拓する際に、問題となるのは、職人やそこで働く社員の獲得です。

これらを一気に解決する手段の一つがM&Aであり、その対象先は、同業である住宅リフォーム事業を中心とした企業であったり、地域に根ざした工務店です。営業や工事のノウハウを共有したり、共同仕入れにより、購買力を強化するなど投資対効果を考えて行ってまいります。リフォーム会社の連合体を組成していくことで、シナジーを発揮し、競争力を強化してまいります。

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次は、セグメントごとの成長戦略についてご説明いたします。

こちらのグラフは、縦は競争力・優位性、横にシェア・認知度を表しております。

まず、一番右上の当社の主力事業である住宅リフォーム事業から説明してまいります。営業エリアにおきましては、おかげさまで高い認知度をいただいております。成長戦略といたしましては、引き続きドミナント出店やグループ間のシナジーの追求、またリフォームの工事種別をより細分化することで専門性を一層高め、傑出したデザイン力によって他社との差別化を図って、これからも大きく成長してまいります。

次に、中央に表示しております新築住宅事業ですが、このシェアや認知度はまだまだ不十分であると認識しております。成長戦略といたしまして、大手ハウスメーカーの工業化住宅にはない自然素材やデザイン性、機能性を強くアピールし、リフォームで築いた認知度を活かして営業エリアを拡大してまいります。

最後に、一番左の不動産流通事業ですが、シェア・競争力におきましてまだまだ伸ばす余地が大いにあると考えております。まずは、先行する二つの事業との連携や、建売住宅事業を強化し、認知度を向上させ、商圏において最も多くの物件情報が集まる不動産店舗を目指してまいります。

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最後に、地域一番店戦略であります。

当社が営業展開をする際に、広い範囲で営業活動を行うより、狭い範囲であってもその中で一番をとる、地域一番店戦略を実践しております。

お客様の目に留めていただけるよう、テレビCM、ラッピングバス、最近はYouTubeでの情報発信にも力を入れており、メディアミックスで知名度向上やシェアナンバーワンを目指しております。

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それでは、2022年12月期の連結業績予想の概要をご説明いたします。

2022年12月期の連結業績予想につきましては、期初予想を据え置いております。売上高は前期比7.1%増の74億円です。営業利益につきましては、5.5%の増加で2億1,900万円、純利益は約22%の増加で1億1,000万円を見込んでおります。

計画通りに進んでまいりますと、売上高は5期連続の増収。営業利益、当期純利益につきましては、2期連続の増益となる見込みです。売上の増加要因といたしましては、既存エリアの深耕・シェア拡大による住宅リフォーム事業を伸長させること、そして、2021年出店店舗の通年寄与と2022年2月に開設しました東大阪店の売上の寄与を見込んでおります。

営業利益につきましても、こちらも増益といたしております。しかしながら、売上の増加に対しまして、やや保守的でありますのは、現場管理体制の見直しを進めて利益率の改善を進めていきます一方で、新規M&Aや、必要な投資については費用を確保しているという事情でございます。

なお、当期純利益の増加幅が大きいのは、前期に計上いたしました、特別損失の発生を今期は見込んでいないためです。

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次に、セグメント別の業績予想についてお話し申し上げます。

まず、左の住宅リフォーム事業に関しましては、先ほども申しました、既存エリアの深耕とシェア拡大により、増収増益を予想しております。

中央にございます新築住宅事業につきましては、住宅ローン減税の制度変更や、ウッドショックによる木材価格の高止まりによりまして、減収減益を予想しております。

三つ目の右側、不動産流通事業に関しましては、不動産価格の高騰による販売用不動産の仕入れ不足により減収を見込んでいる一方で、仲介業務に注力していくことで増益を予想いたしております。

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最後に、株主還元としての配当方針でございます。

当社の配当方針は、年1回の期末配当ならびに、業績に応じて中間配当を行うことを基本方針としており、業績の見通しを勘案したうえで、安定的な配当を行うことを目標としております。配当性向については、中長期的に25%から30%程度を目途とし、利益分配を行ってまいります。

2022年12月期の配当予想は、据え置きの25円としております。なお、これによる配当性向は、29.6%となる見込みです。

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ご参考としまして、上場からの株価推移を記載してございます。ご覧いただきたいと存じます。

以上をもちまして、株式会社安江工務店の個人投資家様向けの会社説明を終了させていただきます。今後とも、皆様方のご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。最後までご視聴いただきまして、誠にありがとうございました。

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