安江工務店

各店一覧

建物 温故知新

2014/09/13(土)

皆様、ご無沙汰致しております。

名古屋市中村区でリフォーム工事店を始めて早10年、

安江工務店 中村店店長の佐脇です。

私事で恐縮ですが、今年で結婚25周年を迎えたのを記念して、

娘2人が奥飛騨・上高地への旅行へ招待してくれました。

奥飛騨地方へは15年ぶりに訪れましたが、

景色も最高、空気もおいしくて何回訪れても本当に良いところです。

今回宿泊させて頂きましたお宿は福地温泉「隠庵 ひだ路

築100年以上の古民家の材木を使用して造られたお宿です。

オープンしてまだ10年未満のお宿なのにすごい風格があります。

囲炉裏も見事で天井は吹き抜けになっています。

各部屋に露天風呂と桧の内湯が有り、

お部屋の床は温泉が循環された床暖房になっています。

女将さんに話を聞くと最初は4階建のホテルになる予定だったそうですが、

「私達の求めている建物と違う」と根本から設計を考え直し、

平屋建ての古民家風にしたそうです。

私共、中村店の雰囲気に似ており、

妙に落ち着けました。

ここ福地温泉郷は街ぐるみで古き良き日本文化が守られており、

ほとんどの宿が古民家を移築して造られています。

朝市のお店も何故か懐かしい雰囲気。

100年位タイムスリップした様な感覚で、

やっぱり日本の昔の家はいいなと思ってしまいました。

 

翌日は上高地へ出かけたのですが、こちらも15年ぶり。

景色は15年前とちっとも変っていませんが、

玄関口の上高地インフォメーションセンターは最新の設備を

導入した最先端の建物に生まれ変わってました。

館内の電気は殆ど太陽光発電でまかなわれており、

その電気を利用して床下と屋根裏に空気を循環させています。

夏は屋根裏の暖かい空気を外へ排出し、

夜放射冷却で冷やされた屋根裏の空気を床下に循環して

館内を自然に冷やします。

冬は屋根裏で温めた空気を床下に循環してから排出。

自然な床暖房になってます。

こちらではこのシステムを「パッシブソーラー」と呼んでいます。

当社が推奨する「ゼロエネルギーを目指す家」

パッシブデザイン住宅」と全くコンセプトが同じです。

それとは対照的に、上高地を世界にしらしめたウォルターウエストンを案内した

山岳ガイド、上条嘉門次が明治13年に建てた「嘉門次小屋」は

当時のままの建物を使用しており、

今も名物の岩魚の塩焼きを1日に何百本も囲炉裏で焼いてます。

その煙で燻された建物は強固で虫に強い木材となり、

130年以上たった今も現役として岳人達を迎え入れてくれてます。

「古きをたずね新しきを知る」昔の方は良く言ったものです。

福地温泉や上高地の取り組みの様に「温故知新」の気持ちを持って

リフォームのご提案をさせて頂きたい。

その様に思わせてくれた旅でした。