2012/09/06(木)
こんばんは、中村店ナガタです
おかげさまで、毎日忙しくさせて頂いております
そして元・中村店、現・千種店の相座さんが残していった名言の通り、
忙しければ忙しいほど、読書が進みます。何でかな?
1冊目。『アカペラ』山本文緒
おじいちゃんと孫。主人公と従姉。姉と弟。
どこにでもある家族の、どこにでもある風景。
その中の、ちょっと変わった一瞬を切り取る、中編小説です。
***
待ってました!!山本文緒さんの復活作。
闘病中も、エッセイなんかは書いてらっしゃったのですが
私は彼女の「小説」が読みたかった。。
前回の読書日記でちょっと触れたのですが、母に教えてもらいました。
しかも出たの結構前みたいで
山本さんの小説について、以前
『時間をかけてようやく完成しかけた砂のお城を、
完成間際でちょっとだけ壊す』と表現したことがあります。
分かりにくいですが(笑)今回も、おんなじような感じを覚えました。
決して不幸ではないのに、こころになーーんかしこりが残るこの感じ。
やっぱり癖になります。そういえば高校生の頃、風邪を引いて学校を休んだ日に
暇のあまり山本さんの小説を立て続けに5冊読み返したら
風邪が悪化したことがありました(笑)
…うーん。感想になりませんでしたね。とにかく、大好きなんです、文緒さん。
2冊目。『サンシングブルー』飛鳥井千砂
女28歳。手痛い失恋。
不幸のどん底にいた主人公に届いた結婚式の招待状。
そこにはなんと、元カレと親友の名前が
***
…などという、世にも恐ろしい小説でした
このあいだの、『アシンメトリー』の作家さんです。
この作品も、同年代の女性が描かれているので
なかなか考えさせられるものがありました。
幸せって何だろう?もしかして、近くにあるのに見逃していないだろうか?
純粋なだけでは生きられない。
だけど、自分に素直になることも覚えていく。
何か勇気と「許し」のようなものをもらえた気がします。
…とはいえ、小説としては、ちょっと回想が多く
何かこじつけのような設定も気になり、あんまり。。という感じでした。
『アシンメトリー』の方が個人的にはスキだったなぁ
3冊目。『元気でいてよ、R2-D2。』北村薫
ほんの小さな、もしくは何気ない、「悪意」や「無神経さ」を描く、
不思議だったり、後味が悪かったり、ヒヤリとさせられる短編集。。
***
北村薫さんの小説は、目線がふわっと優しくて、好きなのですが
今回はそんな人が毒を効かせた小説を書いていたので、
何だかドキドキしました
ちなみに「R2-D2」は、スターウォーズに出てくるやつですよね。。確か。。
でも、この小説はスターウォーズの知識は要りません、私もそれ心配してたのですが、
ご安心下さいませ(笑)
読んでる間、無意識にハッピーエンドを期待しているのですが、
いつの間にかちょっとずつちょっとずつ違う車線に乗せられていて
気付けば奈落の底へ突き落される感じです。
これまた癖になりますが、若干後味が悪いです(笑)
そう言えば前書きに北村さんご本人が「『腹中の恐怖』は、妊娠中の方は
どうかご覧になりませんよう…」とわざわざ書かれていたので
お腹の中の赤ちゃんは実は凶悪な…とかを想像していたのですが
もっと現実的で、もっと気味が悪くて、「ひぃぃぃぃ
あんなことがあったら、せっかく生まれてきた赤ちゃんを愛せなくなってしまう
ちょっと、中学生(だったかな?)の教科書に載っていた、
『山月記』を思い出しました。
ホラーとはまた違う、惹きこまれてしまう恐怖がそこにはあります
と、いうわけでまた長くなった割に抽象的ですスミマセン
これから、読書には良い時期がやってきますね
ナガタのオススメ、見かけたら手に取ってみて下さい~