2015/01/25(日)
皆様、こんにちは。
LOHAS studio 安江工務店 千種店の大倉です。
今回の内容は、初めて建具の工事に携わらせていただいた時のお話をさせていただきます。
場所は名古屋市のM様邸にて。
LDKと和室の間にある間仕切襖から採光性のある建具に取替えの工事でした。
当初は、襖紙の張替えでお問い合わせをいただいたのですが、お客様のお話をじっくりと聞いていくうちに、本心は間仕切り襖の上部の垂れ壁がお部屋を狭く、暗い印象にしていることにかねてからご不満を持っていらっしゃる事が分かりました。
お客様のお知り合いの別の業者様にも以前にご相談されたことがあったそうですが、その時は『(工事が大変なので)襖紙の張替えだけにされる方がよいと思いますよ。』というようなニュアンスでやんわりとお断りされた事もあったそうです。
我々業者にとってはリフォームは、一度工事が完了すれば次回は修理や補修、追加の工事でお伺いさせていただくだけの事となりますが、お客様は “毎日” その空間にお住まいになられる訳であって。一度、リフォームをすれば内容によっては5年、10年…と長い年月お使いになられる訳であって。
だったら、お客様に後悔しないリフォームをご提案させていただく事が我々にとっての一番重要なミッションのはずです。
弊社では「すべてのお客様に安らぐ「住まい」を提供し一生涯のおつきあいをする」事が我々の目指すべきゴールとしております。
そこで私は襖紙の張替えのご依頼から、垂れ壁の解体・撤去、間仕切りパーティション新設の工事に変更のご提案をすることにしました。
建具取替え工事を手がける事は初めてでしたが、お客様に後悔してほしくないという一心だけでスタートを切ってしまい…。正直、予想以上に大変な事となりました。
建具のオプションが同じ建具でもあるものと無いものがあり大混乱。
サイズはミリ単位での採寸・計算。
床の傾きに合わせての建具調整。
建具を取り替えることによって、クロスや巾木の張替、鴨居の切り口の補修なども付随工事として浮上してきて、その度にお客様や職人さんには再度打ち合わせにお時間をいただくこととなり。
同じお部屋にある既設の巾木は追加で発注したくとも、既に廃番となっていたり。
工事ではスケジュールの都合上、様々な職人さんに相番で作業に入っていただくお願いでひたすら頭を下げ。
途中の過程ではお客様にもメーカーさん、職人さんの皆様方にも多大なご協力、ご迷惑をお掛けしながら(汗)何とかかんとか無事、完工することができました。
(お施主様のM様。その節は多大なご協力をいただき、本当にありがとうございました!)
(メーカーさん、職人の皆さん、社内の諸先輩方、皆様のお力なくして今回の工事はあり得ませんでした。本当にありがとうございました!)
熱い気持ちだけじゃ何ともならないトラブルも多々あり、皆様にはとてもご苦労をお掛けしましたが、終わってみれば、熱い気持ちだけで何とか乗り切った工事だったような気もします。(笑)
Before
間仕切り襖の上部の垂れ壁の高さは約40cm程ありました。
向こう側のお部屋は和室です。和室に一つだけある窓からは隣家が目の前に建てられているため外からの採光性が乏しく、間仕切り部分は襖のためLDKからの採光性も乏しい状態でした。
LDK側から見てもお客様は垂れ壁に閉塞感を感じられていたため、開放感のある明るいお部屋にされたいとのご要望でした。
途中経過
間仕切り襖を撤去し、上部の垂れ壁の高さも10cmまでに縮小しました。
解体した部分の補修をした後、新たに額縁と直貼りレールを取付け、採光性のある曇りガラス調のパーティションを新設しました。
After
和室側から見た完成写真です。鴨居を途中で切断し背の高いパーティションを新設したことによって、日中はLDK側からの暖かな日の光が差し込むようになりました。
右側の襖だけは襖紙の張替となりましたが、この襖紙も和モダンでとっても素敵なんです!
「凛(ルノン)」の「鈍色(にびいろ)」という種類の襖紙です。グレーの下地に木の葉模様が光の反射で浮き出てきます。これほどまでにお洒落な襖は今までに出逢ったことがありません。
そして次は、LDK側から見た完成写真です。
間仕切り壁の解体と壁の補修をしましたので、その部分を隠すためにクロス(壁紙)の張替が必要となりました。その壁の一面のみ既設のクロスから敢えて色の入ったクロスをご提案し、空間にアクセントを付ける事となりました。
LDKはご家族の皆様が団欒される場所なので、温かみのある淡いピンクの織物調のクロスをお客様はご選択されました。結果、春のような柔らかい空間を演出し、心も穏やかにしてくれるような素敵なLDKとなりました。
この時の経験は私にとって、非常に大きな宝となりました。
今後の人生においても、挫折しそうになった時にはこの経験が自分自身を奮い立たせてくれることと思います。
これからも、「諦めないリフォーム」をお客様と共に創り上げていきたいと思っておりますので、皆様引き続き、ご指導・ご鞭撻・ご愛顧のほどよろしくお願いします。