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2011/07/03(日)

こんにちはナガタです(。・ω・)ノ゙

最近はタカハシさん、金さん(こと遠山クン)はじめ中村店の仲間たちが
日々面白いブログを書いて下さるので、
ナガタは安心して読書記録が書けます(笑)。

さて1冊目。
榎本憲男『見えないほどの遠くの空を』。

これは完全に“題名買い”でした(´∀`*)

舞台は大学の映画研究会。
主人公の賢を含めた4年生のメンバーで卒業制作となる映画を
撮ることになるのですが、最後のワンシーンのみを残して
ヒロイン役を演じていた莉沙が急死してしまう。

そのまま卒業制作は頓挫してしまったものの、
就職後 慌ただしく働く中、賢は
莉沙とそっくりの「洋子」という女性と偶然出会い、
改めて映画の撮影を再開させようとする。

久々に集めた研究会のメンバーをビックリさせようとする賢だが
メンバーとの間に微妙な温度差が…?(((( ;゚д゚)))

途中から不思議な展開となってきて、
じわじわと実態が見えてくる、軽~いミステリーといった感じです。

作者の榎本さんは、映画撮影の経験がある人なんだろうな…と
それが読み始めソッコーで分かるくらいに描写が細かかったです。
目線も、「撮る人」の目線で描かれているから
一般人が馴染みやすいかどうかって言うと
ちょっと…という感じでしたが
映画を創ったりドラマを創ったりする人たちが読むと
もっと深い面白みが分かるんだろうなぁと思いました。

読み終わってから調べたら、
やっぱり榎本さんは映画の世界で生きてきた人で
今回も、この小説は映画を撮る為の脚本を小説化したもので
今年の6月11日に映画化されたみたいですね☆
…まだやってるのかな?

→名古屋では、「名古屋シネマテーク」という所で
7月23日~公開だそうです。
興味のある方はゼヒ★(*´∇`*)

それから2冊目。
恒川光太郎『草祭』。

団地のわきの用水路を辿って…
古めかしいトロッコに乗って…
次元が違うのか、時代が違うのか、
ほんのちょっとしたきっかけで、導きで、辿り着ける町 「美奥」。

どことなく懐かしい、「昭和」を連想させる街並み、登場人物。
その地は美しくもあり、時に残酷でもあり…。
この日本のどこかに、確かにあるんじゃないか?と思わせるほど
五感に訴えるリアルな描写でした(`・ω・´)

私は、「平成たぬき合戦ぽんぽこ」とか「もののけ姫」とか
そういう宮崎アニメの世界観を思い出しながら読んでいました。

ひとと調和する自然、ひとを包み込む自然、
ひとに牙を剥く自然。。(/TДT)/

正直、ファンタジー系が苦手なので
個人的には馴染めなさが残ったのですが。。

ジブリ作品が好きな方は、是非読んでみて下さい☆

最後に3冊目と4冊目。
重松清『希望ヶ丘の人びと』上・下

いやー良かったです!
上・下巻展開ということでボリューム満点でしたが、
一気に読み上げてしまいました。

重松さんは、現代日本人のせかせかした生活を嘆きながらも
その中にある、「人間らしさ」というか「泥臭さ」というか…
そういった温かみを紡ぎ出すのがとても上手な人だと思います。

きれいごとだけじゃない、
でも、きれいごとだって言いたいというホンネ。

「希望」ということばの通り、
登場するたくさんの人たちの「希望」を描いているのですが、
それが、一筋縄じゃいかない。
行って、戻って、もっと戻って、
諦めかけて、それでもまだ進んで…。

途中2回くらい泣きそうになりました(´;ω;`)笑。
ベッタベタの展開もなかなか好きなのですが
ふっと、核心を突かれるような表現が出てきます。
なかなか気が抜けません。

それから、重松さんの小説の根底には
「死」と、それと背中合わせにある「とてつもない生への執着」
みたいなものが、いつも見られるような気がします。

きっと、何かこだわりがあるんじゃないかと踏んでいるのですが
まんまとそれに乗せられて、身近な人の死とか生を
しみじみと考えてみたりしました(´・ω・`)

さてさて、また偏り満点なナガタの読書紹介でしたが、
この夏休みの読書感想文の
ネタにでもなれば。。と思います(無理か…)