2016/05/14(土)
皆様、こんにちは
名古屋市でのリフォームは今年で創業
安江工務店 千種店の大倉です。
今日は、日本の伝統手道具「鉋(かんな)」について少々お話しさせてください。
私達日本人にとって「鉋」は子供のころから良く耳にする言葉でしたよね。
(最近の小・中学生の世代辺りはあまり聞き慣れないのかもしれませんが。)
「鉋」とは、何百年もの昔からその構造に変化無く、最も奥が深く、
先人から伝わる素晴らしい日本の伝統的な手道具です。
鉋をしっかりと両手で包み込み、、、
刃先に全神経を集中させて、、、一気に引く。
鉋屑の向こう側の世界が透けて見える、その手仕事の美しさには目を奪われます。
名人クラスになると、1000分の3ミリの薄さにまで削ることができるそうです。
先日、とあるお客様邸の吊戸棚のサイズを調整するご依頼をいただきました。
その時に仕事をお願いした大工のKさんが、持っていた鉋に目が行きました。
「この鉋、、、?」
使い込まれた鉋。
鉋台も味のある色を醸し出しています。
「あぁ。それは昔、工事の時に出た解体の木材をお施主さんから貰って、自分で作ったんだ。」
とKさん。
「ちょっと写真に撮ってもいいですか?」と言う私に、
「そんな、恥ずかしいもん写すなよ。」と照れながらも撮影の許可をいただきました。
仕事を手際よく進めながら、Kさんは話します。
「昔は、鉋も大工なら皆、自分で作っていたもんだ。」
「最近は、道具も売っているもの使えば早いし、、、
自分で道具を作れる奴も少なくなったろうな。」
今は何でも機械で大量に生産・製造できる世の中です。
新築の建前(たてまえ。棟上げ、建て方とも言います。
建物の主だった骨組みをつくること。)も現在は、木材を
プレカット工場で寸法通りに予めカットされたものを使っていますが、
昔の建前は大工さんが自ら寸法を取り、組み立てていたため、
建前の前夜の大工さんは不安で眠ることができないと言われていました。
Kさんも聞いてみたところ、やはり眠れなかったそうです。
(本当だったんだぁ。)
そんな話をしながら、鉋を眺めていました。
Kさんのように無骨で愛想のない(笑)鉋ですが、
しっかりと仕事をしてくれる、相棒なのだと思いました
さて、そんな私を魅了してやまない「鉋」ですが、皆様。
最近ではこんな会もあるそうです。↓↓↓
削ろう会
※極限まで薄い鉋屑を出すことを中心に、手道具や伝統技術の可能性を追及する会、
だそうです。
全国大会も行われ、5月14日、5月15日と正に今日・明日、
岐阜県飛騨高山で開催されているそうです。
ご興味のある方は是非こちらを ↓↓↓
それでは、皆様には良い週末を!また次回!